呆然。しかし共感必至!? お転婆少女の日常を描く「Magnificent Mabel」全6巻

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園児の頃のような純粋さもまだ少し残りつつ、思春期の入り口が遠くに見えてきた。そんな低学年の女の子の微妙な心情を丁寧に描いた日常小説「Magnificent Mabel」を紹介します。

概要

まとめ

  • YL2.3程度(主観)。語数約5,100~5,700語。字は大きめ、ほぼ全ページに白黒の可愛いイラスト入り。紙質はわら半紙に近い。
  • 全6巻。1巻につき3話の短編が収録されている。全て一話完結なのでどこから読んでも問題なし。
  • 主人公は小学校低学年の女の子。家族やクラスメイトとの日常生活を描くが、空想世界でごっこ遊びをする様子もたびたび描かれる(魔法、海賊など)。
  • イギリス英語たっぷり。スラングは少なく、イギリス英語に抵抗がなければ読みやすい。

「Magnificent Mabel」は小学校低学年の女の子Mabelの日常を描く、全6巻の短編集。各巻には1話あたり1,500~2,000語前後のお話が3話ずつ収録されており、可愛らしいイラストもたっぷり入っています。カラフルな表紙も魅力です(表紙の文字部分がぷっくりしているのも素敵!)。

舞台はイギリスの小学校。クラスでの劇、運動会(Sports Day)、転校生登場といったお決まりの話の他、姉や家族との話、ハロウィン、クリスマス、誕生日パーティーなどのよくあるシチュエーションが描かれているので、国は違えど違和感なくお話に入りやすいと思います。

Mabelはちょっと、いやかなりお転婆な女の子。思い立ったらすぐ行動し、気に入らないことがあると相手を押したりお腹をつついてしまう(そして叱られる)ことも。何か失敗した時は自分でリカバリーしようと頑張りますが、途中で空想世界に入り込んでごっこ遊びを始めてしまったりと、可愛らしい一面も持っています。

その一方で、周囲の大人や友だちの行動をよく観察し、どうすればよい印象を与えられるか考えたり、何かうまくいかないことがあると “Sometimes life isn’t even fair.” とか “That is the whole tragedy of my life.” と嘆いてみせるなど、幼さから少しずつ脱却し思春期へと向かいつつある様子も見受けられます。

このシリーズはそんな、小学校低学年の女の子の心情を丁寧に切り取った作品です。おもしろいけれど単に笑えるおもしろさではなく、「わかる、私も同じ(だった)」とか「いや、さすがにそれはない」とか、Mabelの突拍子もない行動とその裏に隠された気持ち(幼かったり、妙に大人びていたり)に寄り添い、あれこれ考えられる点に楽しさを感じました。

英語面では、スラングが少なくとても読みやすかったですが、全編もれなくイギリス英語です。私は「なじみのない単語/表現を見つけて英英辞典をひいたらイギリス英語と書かれていた」ということが何度もありました。後半はだんだん慣れ、覚えてしまいましたが、人によっては気になる方もいるかもしれません。

あらすじと感想

ここからは全6巻のあらすじと実際に読んだ感想を順に紹介します。

#1 Magnificent Mabel and the Rabbit Riot

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  • YL2.3(主観)
  • 語数:約5,300語

あらすじ

  • 「1:Magnificent Mabel and the Rabbit Riot」 …ペットが大好きなMabel。本物のウサギを飼いたいけれど家族に反対されています。そんなある日、お姉ちゃんが誕生日にウサギを買ってもらったと知り、大ショック!しかもお姉ちゃんは他のプレゼントも買ってもらうというのです。こんなの不公平すぎると感じたMabelはとんでもないことをしでかします。
  • 「2:Magnificent Mabel and the Burglar Tooth Fairy」 …最近クラスは「歯が抜けた」という話題でもちきり。でもMabelは自分の歯が抜けることを恐れています。だって歯が抜けたら夜中にTooth Fairyが来て、抜けた歯を奪い取られてしまうから。まるで強盗みたい!ところがある日、ついにMabelの前歯がグラグラしはじめて――。
  • 「3:Magnificent Mabel and the Pixie Play Date」 …今までで一番楽しい遊び、それはスプリンクラーで遊ぶこと!でも自宅の庭は狭すぎます。そこでMabelは、広い庭がありスプリンクラーで自由に遊べるという級友・Elsa Kavinskyと仲良くなり、家に招待してもらって一緒にスプリンクラーで遊ぶ計画を立てますが――。

第1巻!どんなお話か全く知らない状態で読みはじめたので、1話目でMabelの行動に唖然茫然。うわぁこの女の子(主人公)とんでもないお転婆じゃん!と頭を抱えながら読み終えました。突拍子もない行動をしでかすので先が読めず、お話に一気に引き込まれたし、(私はここまでお転婆ではなかったけれど)やりたくなる気持ちはわかるので共感もできる、そんな一冊でした。

#2 Magnificent Mabel and the Christmas Elf

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  • YL2.3(主観)
  • 語数:約5,700語

あらすじ

  • 「1:Magnificent Mabel and the Christmas Elf」 …お気に入りのエルフの人形をツリーに飾り、クリスマスな気分でいっぱいのMabel。ところがクリスマスイブの日、彼女は自分が家族の分のクリスマスプレゼントを用意し忘れていたことに気付きます。真夜中、Mabelがプレゼントを用意するためこっそり作業していると、エルフの人形が話しかけてきて――!?
  • 「2:Magnificent Mabel and the Interesting Day at School」 …毎日同じ学校生活でつまらない!Mabelは日常に変化をもたらそうと、一風変わった行動を試みます。そんなある日、クラスに新しい生徒がやって来ました。これは大きな変化!Mabelは早速友だちになろうとあの手この手で話しかけますが――。
  • 「3:Magnificent Mabel and the Toddler Cousin」 …従兄弟の幼児Williamを一晩預かることになり、大喜びのMabel。「お世話なんて簡単!」とWilliamと一緒に遊び、おやつをあげ、絵本を読んで寝かしつけようとしますが――。

今回もMabelの突拍子もない行動の数々に半分呆れつつ、しかし自分も子どもの頃同じようだったことを思い出して頭を抱えつつ読みました。最後のお話は、幼児のお世話をするという定番のストーリーではありますが、Mabelのお転婆っぷりが良い方向に働いたり、Williamが “More!” を舌足らずな発音で “MO!” と言ったりする場面が可愛らしく、子どもの気持ちと親の気持ちの両方がとてもよくわかる、共感しまくりのお話でした。

#3 Magnificent Mabel and the Egg and Spoon Race

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  • YL2.5(主観)
  • 語数:約5,500語

あらすじ

  • 「Magnificent Mabel and the Egg and Spoon Race」 …今日はSports Day。Mabelは去年同じチームだったEdward Silitoeと今年もペアを組み、runnning race、obstacle race、egg and spoon raceの3種目に出場します。去年はモタモタしてしまいチームメンバーから怒られてしまったMabelですが、果たして今年は――!?
  • 「Magnificent Mabel and the Class Play」 …Mabelたちのクラスでは学期ごとに演劇を行っています。今回の演目はシェイクスピア。衣装のヒゲが気に入ったMabelは、どうしても主役のシェイクスピアを演じたくなり――。
  • 「Magnificent Mabel and the Dog Show」 …友だちの影響でDog Showに行きたくてたまらないMabel。でも家族から「うちは犬を飼っていないし別の予定もある」と反対されています。そんなある日、ついにDog Showを見に行けることになり――。

今回はお姉ちゃんの出番、ほぼなし。1、2巻に登場したクラスメイトたちがちょこちょこ登場します。Mabelとひと悶着起こしたりするわけですが、納得感のある喧嘩なので嫌な気持ちになりません。今回もいろいろと騒動を巻き起こすMabelですが、読者の私もだんだん慣れてきたのかそこまで驚くこともなく、「うわぁまたやった…まぁ気持ちはわかるけど…いやしかし…」と半分共感しつつ呆れつつ読み終えました。

#4 Magnificent Mabel and the Magic Caterpillar

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  • YL2.3(主観)
  • 語数:約5,100語

あらすじ

  • 「Magnificent Mabel and the Magic Caterpillar」 …Mabelたちのクラスではイモムシを飼っています。クラス全員が順番に家に持ち帰りお世話をする中、ついにMabelの番がやってきました。このイモムシが実は特別なイモムシで魔法を使えると信じ、可愛がるMabel。ところが翌朝、イモムシがどこかに消えてしまい――!?
  • 「Magnificent Mabel and the Disappearing Homework」 …金曜日になると、姉のMegは時々友だちのMax Robertsを家に呼んで一緒に宿題をしています。一方、Mabelの学年はまだ宿題がないし、2人と一緒に遊べずつまりません。しかもMaxはことあるごとにいじわるをしてくるのです。ある日ついに我慢の限界がきて――。
  • 「Magnificent Mabel and the Eye Test」 …クラスメイトがかけているメガネとカチッと閉まるメガネケースに興味津々のMabel。自分もほしくてたまりません。家族にお願いしまくり、ついに視力検査をしに眼科へ出かけます。

1話目のMagic Caterpillarについて、日本ではアオムシを飼って蝶々になるまで育てた経験があるご家庭も割と多いと思うのですが、イギリスは違うのかな?とちょっと気になりました。2話目のDissapearing HomeworkはMabelの突拍子もない行動にただただ唖然。気持ちはわかるのですが親の立場だったらいたたまれない…。3話目のEye Testは可愛らしいお話でした。

#5 Magnificent Mabel and the Very Important Witch

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  • YL2.3(主観)
  • 語数:約5,200語

あらすじ

  • 「Magnificent Mabel and the Very Important Witch」 …もうすぐ待ちに待ったハロウィン!クラスのみんなはどんな仮装をするかという話題で持ちきりです。ところが当日パーティーに出かける直前に、Mabelはお母さんから、パーティーには行けなくなったと告げられます。
  • 「Magnificent Mabel and the Worry Box」 …Mabelたちの学校には、校庭にWorry Boxという小さな箱が設置されています。何か困ったことがある時、その箱に手紙を入れると校長先生が対応してくれるのです。ある日、Mabelが手紙を入れると――。
  • 「Magnificent Mabel and the Monster Scarer」 …ベッドの下にモンスターが棲んでいる!最近、Mabelはそんな気がして怖くて眠れずにいます。さまざまな手段で追い払おうとしたり、逆に餌付けを試みたりした結果、事態は予想外の方向に進み――!?

今回は3話とも可愛らしいお話でした。Mabelの突拍子もない行動は少なめで、小学校低学年らしい素直で、でもいろいろと考えている様子がとてもよく伝わってくるお話ばかりです。3話目のラストはまさかの展開で笑えました。

#6 Magnificent Mabel and the Very Bad Birthday Party

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  • YL2.2(主観)
  • 語数:約5,700語

あらすじ

  • 「Magnificent Mabel and the Very Bad Birthday」 …8月25日はMabelの誕生日!家族だけのささやかなパーティーを開くつもりでしたが、それではもらえるプレゼントの数が少なくなることに気付いたMabelは、クラス全員を招待することに。ところがパーティーはハプニングの連続で――。
  • 「Magnificent Mabel and the Packed Lunch」 …Mabelは親に作ってもらったお弁当が気に入りません。毎日同じメニューだし量も少なすぎ!そんな時、隣に座るElsa Kavinskyのお弁当をどうしても食べたくなり、一計を案じますが――。
  • 「Magnificent Mabel and the Holiday Job」 …休日はリラックスする日!なのにテーブルセッティングや皿洗いなどをさせられて全然リラックスできないと怒るMabel。家族でビーチに出かけますが、そこでも用事を言いつけられてばかりで――。

1話目。欧米では誕生日パーティーの文化が本当に盛んなようですね。誰を呼ぶ/呼ばない、プレゼントやおもてなしをどうするかなど、あれこれ大変だということがこのお話からよく伝わってきました。駐在中の人からも似たような話を聞くので、おそらくリアリティーのあるお話なのだと思います。単なる「楽しかった!最高!」という話ではないところが好きです。2話目のお弁当のお話については、MabelやElsaたちのお弁当は日本ではちょっとあり得ないメニューで、文化の違いを感じました。みんな日本のお弁当を見たらビックリするだろうなぁ。


シリーズ全6巻の感想は以上です。気になった方はぜひ読んでみてください。

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