妄想が止まらない!小学生男子の愉快なコメディ「BLACK LAGOON ADVENTURES」

チャプターブック
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小学生男子が主人公の妄想&ギャグ全開のコメディ小説「BLACK LAGOON ADVENTURES」シリーズ。チャプターブックへの移行期に読める楽しい小説です。シリーズ全体の概要や、実際に読んでみての感想をまとめます。

概要

  • YL:1.6~1.9(主観)
  • 語数:約1,600~3,000語
  • 全33冊+α 1話完結でどこから読んでも問題なし
  • 妄想炸裂!ギャグ満載!小学生男子の学校生活を描くコメディ小説
  • 全ページに挿絵あり(白黒)。イラストの作者は多くの有名絵本を手がけるJared Lee。

「BLACK LAGOON ADVENTURES」シリーズは、小学生男子Hubieの学校生活を描くコメディ小説。全33巻(+α)のシリーズですが、1話完結なのでどこからでも読めます。+αとしているのは、巻数に含まれない特別編が出版されているためです(内容はページ下部「#Special:The Book Report from the Black Lagoon」の項をご覧ください)。

お話はいつも、Hubieが学校生活の中でクラス委員決めや運動会、ハロウィンパーティーなど、さまざまな行事や活動に挑戦するところからはじまります。「どうしよう、失敗するかも」とか、「負けたら恥ずかしい」とか、誰もが考えたことのある不安や悩みが描かれるので共感できます。また同時に、「もしもclass tripの行き先が火星だったら?」とか、「俺って将来、アメリカ大統領になっちゃうかも!」とか、小学生らしい突飛で愉快な妄想も繰り広げられるので、楽しい気分でサラッと読めます。

巻によって妄想やギャグの度合いに差があり、爆笑しっぱなしの話もあれば、比較的真面目な話もあります。どんな話でもおバカなギャグがあるなど小学生男子(特に低学年)らしい内容で、愉快な小説を読みたい人にぴったりです。

あらすじと感想

ここからは実際に読んだ巻について、各巻のあらすじと、感想を紹介します。

#1:The Class Trip from the Black Lagoon

  • YL1.8(主観)
  • 語数:1,909語

明日は初めてのclass tripに出かける日。どこに行くのか、何を持っていけばいいのか全然わからないまま、Hubieは友人たちとどんな旅になるのか想像を巡らせます。夜になっても興奮して眠れず、妄想がさく裂!翌朝、眠い目をこすりながら何とか家を出ますが――果たしてclass tripの行き先は!?

class tripについての想像力豊かすぎる妄想が楽しく、あっという間に読み終えました。もしclass tripの途中でクラスメイトたちがライオンに食べられてしまったら?行き先が活火山で、噴火に巻き込まれてしまったら?それとも行き先は深海?火星?「そんなわけないだろ!」とツッコみたくなる展開が続きます。どこまでが妄想でどこからが現実なのか、はっきりした提示は無いので、読み終えた後も頭の中であれこれ想像が広がる楽しい小説です。

英語については、全体的にとても読みやすいですが、造語や言葉遊び、ギャグも多く、時々引っかかる部分がありました。

#2:The Talent Show from the Black Lagoon

  • YL1.6(主観)
  • 語数:1,582語

学校でtalent showが開催され、クラス全員がステージに立ち、他の生徒や教師、親たちの前で何か特技を披露することになりました。(さて何を披露しよう?)と妄想を膨らませるHubie。クラスのみんなはそれぞれすごい特技を披露するようです。初めはおバカな特技で乗り切ろうと考えていたHubieですが、お母さんに相談した結果、思いがけない技の練習をすることになり――。

最初から最後までゲラゲラ笑いっぱなしでした。2巻、すごくバカらしくて面白いです!お試しでどれか1冊読んでみたいという方はぜひ2巻をどうぞ!小学生男子らしいおバカなノリ全開、ジョーク満載で、息抜きにぴったりでした!

#3:The Class Election from the Black Lagoon

  • YL1.8(主観)
  • 語数:2,034語

Hubieが学級委員長に立候補!同じく立候補したDorisと一騎打ちすることになりました。選挙に向けてポスターを作成したり、演説内容を考えたりしながら、Hubieは(もしアメリカ大統領になったら…)などとのん気に妄想を巡らせます。そんなある日、対立候補のDorisが思わぬ手段でクラスメイトたちに自分に投票するよう呼びかけ始めます。このままでは誰も自分に投票してくれないかもしれない!焦りと不安でネガティブな妄想にふけるHubie。果たして選挙の行方は――!?

焦りと不安から暗い未来を想像するHubieの姿に「わかるー!」と共感しまくりでした。選挙の公約も演説内容も、対立候補のDorisは真面目なのに、Hubieはいつも通りおバカな内容でギャグまみれ。小学生って男女で実際、こういうところに違いが出ますよね…(どちらがいいとかではなく)。途中で歴代アメリカ大統領のエピソードも登場し、勉強になる…かと思いきやギャグで終わるところなど、このシリーズらしさがあふれていてとても好きです。

#4:The Science Fair from the Black Lagoon

  • YL1.9(主観)
  • 語数:2,410語

Science Fairに向けて、クラス全員がそれぞれ何かを発明することになりました。自分の姿を見えなくする方法を考える者、ロケットやタイムマシーンを考案する者…クラスメイトたちはそれぞれすごい発表を考えているようです。そんな中、Hubieは自分のクローンを作るか、それともlaugh machineを制作するか悩み続けます。(もし自分のクローンがいたら…)と妄想がさく裂!名高い科学者たちのようなすごい発明は生まれるのでしょうか?

大人が何かを制作する時は、まず期日までにアイディアが実現可能かどうか考えると思うのですが、このお話の中ではクラス全員が全くそんなことは考えず、ひたすら自分の創りたい物を制作していきます。その様子がいかにも小学生(特に低学年)らしくて可愛らしく、子どものことを分かって書いている感じがしました。今回もギャグ満載で、面白いのですが知らない単語も多く、ちょっと苦戦したため高めのYLにしています。

#5:The Halloween Party from the Black Lagoon

  • YL1.7(主観)
  • 語数:2,313語

「次の金曜日の夜に学校でハロウィンパーティーを開催するので、仮装して来てください」という先生からの告知を受け、Hubieはどんな仮装をするか考え始めます。クラスメイトたちは早くも何を着るか決めた様子。でもHubieはどんな格好をすればいいか全然思いつきません。お小遣いをかき集め、お店に仮装グッズを買いに行きますが――。

このシリーズにしては珍しく、今回は妄想シーン少なめでした!イラストがいつも以上に遊び心満載で、笑えるクイズも載っています。全体的に、爆笑できるというよりクスリと笑えるシーンが続く(でも言葉を知らないと笑えない)という感じでした。みんながどんな仮装をしてきたのか詳しく描写されているので、真似して仮装ごっこを楽しむのも面白いかもしれません。

#6:The Field Day from the Black Lagoon

  • YL1.7
  • 語数:2,574語

もうすぐfield day!二人三脚や綱引きの他、縄跳び、フラフープ、そして風船ガムをいくつ口に入れられるかなど、様々な競技が行われることになり、クラスメイトたちは大張り切りです。そんな中、Hubieは体を鍛えようと、テレビショッピングでとある道具を購入しますが――。

field dayは日本の運動会のようなものらしいですが、運動会には無い楽しそうな種目がたくさんあり、雰囲気も全く違っているようです。風船ガムをいくつ口に入れられるかを競うとか、日本の運動会なら絶対あり得ません(笑) 今回はギャグ要素控えめでしたが、競技の面白さや、テレビショッピングや健康食品店でちょっと怪しい商品を物色する様子などが面白く、あっという間に読み終えました。

#10:The Little League Team from the Black Lagoon

  • YL1.6
  • 語数:2,935語

野球シーズンがやって来た!土曜日に行われるリトルリーグのトライアウトに向け、Hubieは親に新しいミットを買ってもらいます。嬉しさのあまりミットに名前を付け、手にはめたまま学校へ行くHubie。授業中も野球ネタの妄想がさく裂し絶好調です!その一方で、空高く上がったボールを上手くキャッチできるのか、自分のせいでチームが負けるなんてことにはならないかなど、ネガティブな妄想も広がって――果たしてトライアウトの結果やいかに!?

今回はギャグ少なめで、とてもわかりやすい英文でした。ライミングというか親父ギャグのような言葉遊びはあるものの、その多くはイラストに添えられた短い単語程度で、文章中にはあまり見当たりません。その分、笑える要素も少なめで、物語として楽しむタイプの巻でした。

クラスで野球のチーム分けをする時、自分がチームのみんなに歓迎されているかどうかドキドキしたり(といってもHubieは終始明るいですが)、女子と男子が対立するシーンがあったりと、自分の子どもの頃を思い出しながら「あるあるー!」と頷きたくなりました。日本もアメリカも変わらないんですね。

#Special:The Book Report from the Black Lagoon

  • YL1.3
  • 語数:1,315語

Scholastic Book Clubのために書き下ろされた特別版。Amazonなどでは買えないようです。私はフリマサイトで中古を入手しました。

「Book Reportを書く」という課題が出され、Hubieは何の本を読んだらいいのか考え始めます。絵本でもコミックでもなく、チャプターブックを読んで書くようにと指示する先生。でもHubieは1人でチャプターブックを読んだことがありません。困ったHubieが図書室の先生に相談すると――。

おそらくシリーズの中で一番短いのではないかと思います。そして英語もとても読みやすい!絵本からチャプターブックへの移行期の子どもたちにぴったりの1冊です。いつもよりギャグ少なめ(ほぼ無し)&教育的な内容で、本を読む楽しさを教えてくれるお話です。


刊行から少し時間が経っているためか、入手しにくい巻もありますが、折を見て他の巻も読んでみたいと思っています。読んだらまた感想を書きますのでお楽しみに。

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