「Home for Meow」はちょっと珍しい、保護猫カフェが舞台の物語。猫たちの新しい家族を探すため、小学生の女の子が奮闘する可愛らしいお話です。とにかく!猫が!可愛い!
概要
まとめ
- YL3(主観)、全4巻、1巻あたり約120ページ、約12,000語。文字は小さめだが行間が広いので読みやすい。数ページ毎に白黒の挿絵あり。
- 主人公は小学3年生になる女の子。家族で保護猫カフェを経営しており、主人公も保護猫たちの新しい家族を探すため奔走する。
- 猫以外の動物(犬など)も少し登場。
- 同性カップル、養子などさまざまな家族の姿も描かれる(人間)。
- 猫が! 可愛い!
「Home for Meow」は、ちょっと珍しい保護猫カフェが舞台の物語。全4巻、各巻はそれぞれ別のお話なので、どこから読んでも大丈夫です。
主人公は小学生の(2巻で小学3年生になる)女の子・Kira Parker。父、母、2学年下の弟Ryanと家族で ”The Purrfect Cup” という保護猫カフェを営んでいます。カフェに新しい保護猫がやって来るたびに、主人公は猫たちの新しい家族を探すべく、周囲の人たちの手を借りながら奔走する――というお話です。
シリーズの特徴は2つ。まずなんといっても猫が可愛いこと! さまざまな猫が登場し、カフェや家などの中でくつろいだり、人間に甘えたり、時にはケンカしたりする姿が描かれるので、猫好きにはたまりません! なお、保護猫カフェって本当はいろいろと大変なこともあるのではないかと思いますが、本書はあくまで猫の可愛さ、猫と暮らすことの素晴らしさに焦点があてられており、保護に至った経緯などのダークな部分は描かれていません(少なくとも2巻までは)。
また、人間同士の交流も大きな特徴です。通常、小学生が主人公の小説というと、小学生同士の人間関係が中心に描かれ、大人といえば学校の先生や家族ぐらいしか登場しないことがほとんどです。ですがこのシリーズでは隣人やカフェの常連客、町の人など多数の大人も登場。主人公は大人を巻き込んでパワフルに行動していくし、そんな主人公を大人たちはあたたかく見守るので、読んでいる私も優しい気持ちになりました。
このシリーズでは、同性カップルや養子として育つ子どもなど、さまざまな家族も登場します。日本の小説では、こうした家族を描く作品はまだあまり多くないのではないでしょうか。多様性を知るという意味でもよい機会になりました。
英語面では、スラングはほぼ無く、地の文は現在形が中心で、とても読みやすかったです。ただ比喩表現(暗喩)が多用されているので、低学年向けというより中学年以上を対象に書かれているような印象を受けました(低学年向けの小説の場合、比喩表現はもっと少なく、直接的な書き方が多いように思います)。子どもっぽさがそこまで無いので、大人も多読の候補作品にできると思います。
あらすじと感想
ここからは、読了した2巻までのあらすじと感想をまとめます。
#1 The Purrfect Show
- YL3(主観)
- 語数:約12,600語
あらすじ
ドッグショーが開催されることになり、町はどの犬が選ばれるかという話でもちきりです。保護猫カフェの常連客すら、犬たちの華麗な姿に目が釘付け。でもKiraには犬のどこがそんなにいいのかよくわかりません。猫の方がずっと賢くてすごいのに――。そこでKiraは、猫をトレーニングしてドッグショーに出場させることを思いつきます。猫の素晴らしさが広まれば、カフェにいる保護猫の宣伝になり、猫たちに新しい家族が見つかるかも! さっそくKiraは周囲の大人に相談しますが――。
Kiraの猫派な発言に、もしかしたら犬派の読者は身構えてしまうかも。でもご安心ください、とっても素敵な犬がたくさん登場します! ドッグショーに向け犬も猫もトレーニングをがんばる姿に、私も本を読みながら声援を送りたくなりました。ドッグショーだけかと思いきやひとひねりある展開で、納得の結末でした。
#2 Show and Tail
- YL3(主観)
- 語数:約12,300語
あらすじ
保護施設から新しくカフェに委託された猫・Bubbles。彼女のお腹ははちきれそう。なんともうすぐ子猫が生まれるというのです! Bubblesは無事に出産できるのでしょうか? そしていったい何匹生まれるのでしょう? 子猫が生まれたら新しい家族を探さなくてはいけません。心配が尽きぬ中、Kiraは3年生、弟のRyanは1年生になり新たな小学校生活がスタートしました。そんなある日、Kiraは名案を思いつきます。新しいクラスメイトの中から、猫の家族になってくれる人を探せばいいのでは!? さっそくクラスメイトに話しかけますが事態は難航し――。
人間も猫も新たなキャラクターが多数登場。でもみんな性格が全然違うので、このキャラクター誰だっけ…と悩むことは全くありませんでした(うまく書き分けられています)。子猫はひたすら可愛いし、先住猫の気持ちもとてもよく伝わってくる。人間も、ずっと昔からの親友と新しいクラスメイトが登場し、どちらの気持ちもとてもよくわかる、共感できるお話でした。ちょっとご都合主義すぎる展開なのが気になりましたが、猫が可愛いのでなんでもよし!
シリーズは4巻まで続きます。気になる方はぜひ読んでみてください。

