Oxford Reading Tree (Word Sparks) といえばBiffやChipたちのシリーズが有名ですが、実は他にもたくさんのシリーズがあります。
今回はその中から、語彙の強化とフォニックス学習のためのシリーズ「Word Sparks」をご紹介します。
どんなシリーズ?
公式サイトの説明は次の通りです。
語彙の強化とフォニックスの学習に重きを置いた、104のフィクション、ノンフィクションで構成されたリーダーシリーズ。(引用元:下記公式サイト内のpdf「児童書カタログ」)
https://www.oupjapan.co.jp/ja/gradedreaders/ort/index.shtml
特徴
主な特徴は次の通り。
- 全13レベル(レベル1~12。レベル1の次は1+、以降は2、3…と続く)
- 各レベル8冊ずつ、全部で104冊
- 8冊の内訳は、フィクション5冊、ノンフィクション3冊
- フィクションは小説、ノンフィクションは社会や理科の教科書みたいな内容
- レベル6までは、大人が読むパートと子どもが読むパートに分かれている本もある
- 音声は公式サイトからストリーミングで利用できる(無料! ※要登録)
- 重要単語は見開きと最後のページに解説あり(もちろん英語)
- ページ下部に、重要単語に関する問いかけあり。「どういう意味だと思う?」とか、「他にどんな場面でこの言葉が使われると思う?」といった内容
レベル別になっていますが、個人的にはBiff、Chip、Kipperたちのシリーズよりも少し難しく感じました。もし併用するなら同じレベルではなく、少し下げてもいいかもしれません。
各レベル8冊セットになっており、重要な単語は8冊の中で手を変え品を変え何度も繰り返し登場します。そのため、8冊全て読む方が力がつくと思いますが、8冊の中で興味のある本だけをピックアップして読むことももちろん可能です(バラでも購入できます)。
小説、歴史、地理、サイエンスなどさまざまな分野の本で構成されています。小学校の教科書のような内容です。最初のレベルは単語のみですが、レベルが上がるとだんだんお勉強感が増してきます。
こんな人におすすめ
- 語彙を強化したい人
- 幅広く色々なジャンルを読み漁りたい人
- 学校や塾、英語教室
ややお勉強感のあるシリーズなので、個人的には幼児というより小学生~大人向けだと思います。自分の好みの本ばかり読んでいると、どうしても語彙が偏ってしまうことがあります。そんな時にこのシリーズを読むことで、普段触れていない分野の語彙に触れることができます。
また、英語教室などのレッスンで使用するのにも向いています。ページの下部に問いかけがついていますので、先生と一緒に考えてみるとインタラクティブに楽しめそうです。
各ステージの感想
ここからは実際に読んだステージのあらすじと感想をまとめます。
※語数は公式サイトから転載しました。
Level1+
※8冊中4冊は、見開きの左側が大人が読む部分、右側が子どもが読む部分に分かれています。
タイトル | 語数 | テーマ | あらすじ |
Stop, Tim! | Child:20、Adult:227 | フィクション | 家族と一緒にビーチへ出かけた犬のTim。嬉しくて大はしゃぎ! |
Let’s Go Up! | Child:20、Adult:218 | フィクション | 10階建てのマンションをエレベーターで昇りながら、ちょっと変わった住人たちの暮らしを覗いてみよう! |
Going into Space | Child:28、Adult:245 | ノンフィクション | 宇宙飛行士の訓練や食事、トレーニング、睡眠について。子どもが読む文章は、最長でも1文あたり6単語。 |
Get the Bannock! | Child:42、Adult:226 | フィクション | いわゆる”gingerbread man”のお話。 |
Sid and Nim | 27 | フィクション | PipとSamシリーズ。ペットを探しているという張り紙を見た2人。早速探してみると――。 |
Pip’s Got It! | 34 | フィクション | 男性のカバンから財布が落ちる瞬間を目撃したPipとSam。男性は気付いていない様子です。さてどうする? |
The Red Tent | 44 | ノンフィクション | キャンプに出掛けた家族のストーリーを読みながら、tent、tin mugなどの単語を学びます。 |
Lots of Crabs | 38 | ノンフィクション | 蟹を捕まえて観察!種類や特徴、「捕まえる」ってどう言うの?などを学びます。 |
子どもだけで読む本と、大人と子どもが一緒に読む本の2種類があります。どちらも子どもが読む部分は単語だけ、もしくはごく簡単な文章(”Is it ~?”のような)なので、音読を始めたばかりのお子さん向けです。
とはいえ、登場する単語は日本の子ども向け教科書とは全く異なるので、知らない単語もあるかもしれません。たとえばcod、tin、patなど、ネイティブの子どもたちなら当たり前に知っている単語ですが、日本ではあまり馴染みがないのではと思います。
Level 8
タイトル | 語数 | テーマ | あらすじ |
Super Sophia! | 872 | フィクション | 入院中のSophiaを元気付けようと、Jeromeはコミックを描き始める。incredibleなその内容とは――? |
Slime Boy | 893 | フィクション | スーパーヒーローの学校に入学したAlbert。自分のスーパーパワーに自信を持てずにいたが、大事件が起きて学校を救うことに!? |
POLAR | 980 | ノンフィクション | 北極・南極ってどんな場所? 探検家たちのたどった過酷な旅や、北極・南極に住む動物の特徴を紹介。 |
Stargazey Pie | 841 | フィクション | お腹を空かせた家族のために、ボートでこっそり漁に出たTom。ところが嵐に巻き込まれ――。 |
The Funky Fasion Show | 880 | フィクション | Adventure Mouse シリーズ。失くしたカメラを探すため、ファッションショーに潜入! 奇想天外な方法でカメラを取り戻せ! |
The Missing Telescope | 835 | フィクション | Adventure Mouse シリーズ。今回の依頼は大海原に落ちた望遠鏡を探すこと。でもどうやって!? |
Meet Your Insides | 931 | ノンフィクション | 脳や胃、腸、肺などの臓器から、筋肉、血液、細胞まで。体の中の驚くべき仕組みや五感について一挙紹介。 |
Up to Speed | 960 | ノンフィクション | 渋滞を避けるためのさまざまな方法を、世界中から写真とイラストで紹介! 見たことない乗り物もあるかも。 |
個人的に気に入ったのは「Slime Boy」。スーパーヒーローなのに自分のパワーに自信が持てず、クラスメイトともうまくいかないAlbertの姿にただただ共感。その後の展開にスカッとしました。
Level 9
タイトル | 語数 | テーマ | あらすじ |
A Tortoise Keeper’s Diary | 1175 | フィクション | 亀の世話を頼まれた少女。最初は戸惑っていたが、次第に愛着が湧いてきて――。 |
Frank the Not-So-Boring Fish | 1070 | フィクション | Eddieが飼い始めたペットはただの魚じゃなかった!? おそるべき姿にEddieも町の人たちもびっくり仰天。 |
The Secret Story of Springs | 1251 | ノンフィクション | バネの歴史から思わぬ使われ方まで、知られざるバネの秘密に迫る! |
The Laughing Shepherd | 1115 | フィクション | 羊飼いの少年と牧羊犬が織りなす、魂の交流の物語。 |
The Fastest Feathers Competition | 1149 | フィクション | Adventure Mouse シリーズ。 |
Mission Cancelled! | 1105 | フィクション | Adventure Mouse シリーズ。宇宙飛行士が失くしたヘルメットを探し出し、ロケット発射に間に合うのか!? |
Time for School | 1113 | ノンフィクション | 世界の子どもたちはどんな学校生活を送っているの? 1日の様子を写真やイラストで楽しく紹介。 |
The Amazing History of Boats | 1201 | ノンフィクション | 古代ローマやエジプト、中国など、世界各地で使われていた船の特徴や歴史をまとめて紹介。 |
個人的に面白かったのは「The Amazing History of Boats」。世界各地の船が登場するので飽きません。
他のレベルについても、読み終わり次第随時追加していきます。
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