お絵描きしたものが本物になったらいいのに…。そんな、誰もが一度は願ったことがある世界を描く、魔法のようなシリーズを紹介します。
概要
まとめ
- 絵本(うち1冊はリーダーズ)。邦訳あり。
- リーダーズ:YL0.5、絵本:YL1.6~
- 「小さな男の子Haroldが紫のクレヨンで絵を描くと、描いたものが次々と本物になっていく」という魔法のようなお話。
「Harold’s Purple Crayon Adventure」は、小さな男の子Haroldが紫色のクレヨンで絵を描いていくという内容のシリーズ絵本。男の子が描いたものが次々と本物になるという魔法のようなお話で、読者は男の子と一緒になって魔法の世界を冒険できます!
シリーズ一覧(一話完結。どれから読んでも問題なし)
- A Picture for Harold’s Room (I Can Read! LEVEL1) (邦訳『はろるどのふしぎなぼうけん』)←1番読みやすいです
- Harold’s Purple Crayon(邦訳『はろるどとむらさきのくれよん』)
- Harold’s Fairy Tale(邦訳『はろるどまほうのくにへ』)
- Harold’s Trip to the Sky(邦訳『はろるどのそらのたび』)
- Harold at the North Pole(邦訳『はろるどのクリスマス』)
- Harold’s ABC(邦訳『はろるどのABC』)
- Harold’s Circus(邦訳『はろるどのサーカス』)
- Harold’s Treasure Hunt(邦訳『はろるどのたからさがし』)
シリーズは全8冊(2025年3月時点)。うち1冊は「I Can Read」というリーダーズから出ており、わかりやすい英語で書かれているので読み聞かせや音読(多読)などにぴったりです。他は絵本で、少し難易度が上がります。作者はすでに亡くなってしまっており、シリーズの中のいくつかは作者の死後、別の作者が世界観を引き継いで執筆したものです。
どの本も4、5歳ぐらいのお子さんから大人まで、幅広く楽しめる内容です。魔法のような世界は大人も魅了すること間違いなし!ぜひ1冊、まずは手に取ってみてください。
あらすじと感想
ここからは、シリーズの中で読了した本のあらすじと感想を紹介します。
A Picture for Harold’s Room
- YL0.5(主観)
- 語数:550語
部屋の壁に絵を掛けたいと考えたHarold。まずは紫のクレヨンで家を描き、それから町や道路、夜空に浮かぶ月を描いて――どんどん広がる世界。その先に見えたものとは!?
日本語訳『はろるどのふしぎなぼうけん』。1985年に出版されて以来40年も読み継がれてきた人気絵本です。シリーズの中で1番簡単な英語で書かれており、読み聞かせしやすく、自分で読む練習にもぴったりです。子ども向けの本かと思いきや、大人もきっと引き込まれると思います。シリーズの中でどれを読もうか迷ったら、まずはこの本がオススメです。
Harold and the Purple Crayon
- YL1.6(主観)
- 語数:675語
月明かりの中、散歩に出かけようと決めたHarold。でも月がなかったので、紫のクレヨンでまず月を描き、それからまっすぐな道を描いて、さぁお散歩スタートです。ところがおいしそうなリンゴの木とそれを守るドラゴンを描いたところ、そのドラゴンがあまりに怖すぎてクレヨンを持つ手が震え、クレヨンの線も揺れて波になってしまい、Haroldは自分の描いた波の中へ落ちてしまいます。
日本語訳『はろるどとむらさきのくれよん』。今回も可愛らしいお話でした。クレヨンの線だけでこんなにも豊かな世界が広がるなんて驚きです。また、”He was tired and he felt he ought to be getting to bed.” など、意味はわかるけれど自分では書けない文がいくつかあり、とても勉強になりました。
なお、本書はボードブック版もありますが、ページ数が異なる(少ない)ため、おそらく内容が少し削られているのではないかと思います。購入される際は確認した方がいいかもしれません。
Harold’s ABC
- YL2.2(主観)
- 語数:934語
AからZまでアルファベットの世界を旅することに決めたHarold。家のAttic(=A)からはじまり、B、C、D…とアルファベット順に言葉の世界を旅していきます。果たして最後の文字Zまで全てを旅し、家に帰ることはできるのでしょうか!?
アルファベットが題材の本は数多あれど、本書はちょっと異色です。このシリーズらしく、紫のクレヨンでア描きァベットに落書きし、文字を絵に変えて冒険していくというストーリー。まずAではじまる単語を描き、次はBではじまる単語に移動するといったように、アルファベット順に物語が進みます。シリーズの中では単語が難しく、絵を見るだけでは推測しにくい言葉も登場するため、アルファベットに初めて触れるような幼児にはあまり向かないかもしれません。物語そのものは予想のつかない方向に進んでいくため意外性があり、可愛らしいファンタジーでした。
なお、本書はボードブック版もありますが、ページ数が異なる(少ない)ため、ペーパーバックやハードカバー版とは内容が異なるかもしれません。購入される際はご確認ください。
Harold’s Fairy Tale
- YL2(主観)
- 語数:1,003語
魔法の庭を散歩しようと考えたHarold。ところが彼が紫のクレヨンで描いたこの魔法の庭には、植物が何も育っていませんでした。何かトラブルがあったのかな?Haroldはクレヨンで描いたお城に行き、王様に尋ねることにします。
日本語版『はろるどまほうのくにへ』。今回はファンタジー!といってもこのシリーズらしい可愛らしさにあふれたストーリーで、よくある展開ながらクレヨンの線だけで描かれる絵に惹かれ一気に読み終えました。”Harold’s ABC” ほどではないものの、少し難しい単語が出てきたり、意味を取りにくいと感じた文も複数ありました。
シリーズの他の本も見つけたらまた感想を書きます。他にはない魅力にあふれたシリーズですので、ぜひ一度手に取ってみてください。