主人公はブタ。フルカラーのほのぼのシリーズ「Poppleton」

リーダーズ
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YL1~。初期の多読本をお探しの方にぴったりのシリーズ「POPPLETON」をご紹介します。

概要

  • SCHOLASTIC ACORN(SCHOLASTIC READER LEVEL3)
  • YL1~1.5(主観)、語数:約680~850
  • 全6冊。旧版を含めると全10冊(繋がっていないので、どこから読んでも問題なし)
  • 各巻に短編が3話ずつ収録されている
  • 音源:一部あり
  • 挿絵:フルカラーで大きめ
  • ブタが主人公。ほのぼのとした日常の物語
  • 出版社サイト:https://www.scholastic.com/site/acorn/poppleton.html

「Poppleton」はSCHOLASTIC ACORNという、ネイティブの4~7歳向けのリーダーズの中の1シリーズ。作者は「Mr. Putter and Tabby」シリーズなどで知られるCynthia Rylantです。

物語の主人公はブタ。のんびりとスローライフを楽しむ中で、隣人や友人(全て動物)とちょっと揉めたり、仲良くどこかへ出かけたりする。そんな日常を描いたシリーズです。挿絵もフルカラーでタッチも可愛く、動物が主人公のほのぼのとしたファンタジーが好きならきっと楽しく読めると思います。

YL1~1.5程度と、初期の多読にぴったりです(ORT卒業後ぐらいで読めると思います)。1冊あたりの語数は約680~850。1冊の中に3話の短編が収録されています。200~300語程度の短編を読むかたちになるのでかなり読みやすいですし、短時間でサッと何か読みたい時にも向いています。

全10冊。全て短編で話につながりは無いので、どこから読んでも大丈夫です。#1Poppleton が登場人物の紹介を兼ねたお話になっていますが、他の巻から読んでも支障はありません。

1冊だけ読むよりも、数冊まとめて読む方がおすすめです。登場人物のことをより深く理解できて味わいが増すと思います。

新版と旧版の違い

「Poppleton」シリーズは少し前まで、SCHOLASTIC READER LEVEL3として販売されていました。SCHOLASTIC ACORNとして新装版になった際、収録されているタイトルが変更になったようです。

SCHOLASTIC ACORN(以下、新版)は全6冊。タイトルは次の通りです。:

  1. Poppleton
  2. Poppleton and Friends
  3. Poppleton Every Day
  4. Poppleton in Fall
  5. Poppleton at Christmas
  6. Poppleton in Summer

新版では、キャラクターの紹介ページ(名前とイラストだけですが)やPoppletonの描き方を紹介するコーナーなどが追加されています。また巻末には、「あなたならどうする?絵に描いてみて!」という質問形式でお話を振り返るページがあります。

なお、以下の4冊は新版には収録されていないタイトルです(旧版のSCHOLASTIC READERS LEVEL3として出版されています)。:

  • Poppleton Forever
  • Poppleton in Spring
  • Poppleton Has Fun (2025年3月に新版発売予定)
  • Poppleton in Winter

各巻のあらすじと感想

ここからは各巻のあらすじと感想をまとめます。なお、筆者が未読のものはタイトルだけ紹介します。

#1 Poppleton

「Neighbors」「The Library」「The Pill」の3話を収録。

  • 「Neighbors」:都会暮らしに疲れ、小さな町に引っ越してきたPoppleton。隣人のCherry Sueが毎日3回、食事の度に一緒に食べないかと誘ってくれますが――。
  • 「The Library」:毎週月曜日は必ず図書館へ行くPoppleton。図書館でのお決まりの行動は? 本好きならきっと共感できるお話です。
  • 「The Pill」:病気で寝込んでいる友人Fillmore。Poppletonに「薬を飲ませてほしい。ただし、食べ物の中に隠してくれ」と頼みます。さてどんな食べ物に隠せばいいでしょう?

シリーズ第1巻ということで、Poppletonや周囲の人たちの人柄が少しずつわかる内容です。「Neighbors」はそりゃそうだよねと笑えるお話でした。「The Pill」はオチがちょっとわかりにくいかも。

#2 Poppleton and Friends

「The Shore Day」「Dry Skin」「Grapefruit」の3話を収録。

  • 「The Shore Day」:バスに乗って浜辺に出かけたPoppletonと友人Hudson。楽しい一日が始まります!
  • 「Dry Skin」:朝起きたら肌が乾燥していることに気づいたPoppleton。オイルを塗ったり、ハチミツを塗ったりとあれこれ試しますが、思わぬ結果に。
  • 「Grapefruit」:「グレープフルーツを食べると長生きできる」という情報をテレビで見たPoppleton。苦手なグレープフルーツを食べようと頑張りますが――。

「Dry Skin」はかなり笑えるお話でした。オチも予想外でしたが、ブタだからこそのお話といえるかもしれません。「Grapefruit」は、酸っぱいグレープフルーツを一生懸命食べるPoppletonのイラストがとっても可愛いです。こういう「~は健康にいい」っていう情報、ほんとうに巷にあふれていますよね。

#3 Poppleton Everyday

「The Sky」「The New Bed」「The Sailboat」の3話を収録。

  • 「The Sky」:Poppletonと友人Hudsonは星座観察を楽しもうとしますが――。
  • 「The New Bed」:新しいベッドを買いに出かけたPoppleton。店員にまさかの要求をしまくります。果たして本当にベッドを買うのでしょうか!?
  • 「The Sailboat」:友人Fillmoreが買った新しいボートでセーリング。セーリングは初めてのPoppletonに、Fillmoreは「ただ座ってリラックスすればいい」と言いますが――。

「The Sky」はFrog and Toadみたいな雰囲気の、素敵なお話でした。「The New Bed」はツッコミどころ満載の愉快なお話。私が店員だったらブチ切れていたかも(笑)。Poppletonの部屋のイラストが生活感ありまくりでとても好きです。「The Sailboat」はオチがちょっと言葉足らずな気がしました。

## Poppleton Forever

SCHOLASTIC ACORN版(全6冊)には未収録。もしかしたら絶版かも?新版として再出版されないかなーと願っています。

「The Tree」「The Cold」「Wallpaper」の3話を収録。

## Poppleton in Spring

SCHOLASTIC ARCON版(全6冊)には未収録。SHOLASTIC READER LEVEL3として販売されています。「Spring Cleaning」「The Bicycle」「The Tent」の3話を収録。

  • 「Spring Cleaning」:春の大掃除をするぞ!ということで、いらないものを隣人のCherry Sueにあげに行ったPoppleton。ところがCherry Sueの方が一枚上手で――。
  • 「The Bicycle」:自転車に乗ってエクササイズしようと考えたPoppleton。まずは自転車を買いに行きますが、事態は思わぬ展開に。果たして無事に自転車を買えるのでしょうか!?
  • 「The Tent」:春、庭のテントで一晩過ごすことを決めたPoppleton。みんなに反対されますが、いざ実行してみると――。

3作とも読後感のいいお話でした。ちょっとアーノルド・ローベルっぽい感じです。「Spring Cleaning」「The Tent」はCherry Sueの人柄の良さが伝わってくるお話でした。「The Bicycle」は笑えるけれど、実際こういうのあるよね~!って頭を抱えたくなるお話でした。

#4 Poppleton in Fall

SCHOLASTIC ACORN版(全6冊)では4巻目。「The Geese」「The Coat」「Pancake Breakfast」の3話を収録。

## Poppleton in Winter

SCHOLASTIC ACORN版(全6冊)には未収録。もしかしたら絶版かも。「Icicles」「The Bust」「The Sleigh Ride」の3話を収録。

  • 「Icicles」:冬。軒先にぶら下がったつららが長くなるのを楽しみにしていたPoppleton。ところがある日事件が起きて…果たしてつららはどうなってしまうのか!?
  • 「The Bust」:毎年冬が来るといろいろなことに挑戦するPoppleton。今年の冬は何をしようか考えていると、窓の向こうに隣家に住むCherry Sueが見えたので――。
  • 「The Sleigh Ride」:雪のある日、「ソリ遊びをしよう!」とPoppletonは友人たちに電話をしますが、ことごとく断られてしまいます。Poppletonが落ち込んでいると――。

こちらも3作とも人(動物ですが)のあたたかさを感じる、読後感のいいお話でした。やはりアーノルド・ローベルっぽさを感じるなぁ。bustって胸像のことなんですね。知らなかった…。

#5 Poppleton at Christmas

2022年発売。「The Jar」「Snow」「Midnight」の3話を収録。

  • 「The Jar」:小銭をためた瓶を抱え、友人たちへのクリスマスプレゼントを買いに行くPoppleton。無事に全員分買えるのでしょうか!?
  • 「Snow」:クリスマスには雪が降ってほしい。そう思っていたPoppletonは、お店で雪の缶を見つけます。「これだ!」と試しに使ってみた結果――。
  • 「Midnight」:今日は待ちに待ったクリスマスイブ。Poppletonにはお決まりの過ごし方があるようです。

クリスマスがテーマの3作品。どれも心りが温かくなるお話ばかりで、クリスマスプレゼントとして贈るのにもぴったりです。

#6 Poppleton in Summer

2023年発売の第6巻。「Pink」「The Jeep」「The Rain」の3作を収録。

#7 Poppleton Has Fun

2025年3月発売予定。旧版はおそらく絶版かと思われます。SCHOLASTIC ACORNの中の1シリーズとして新しく収録されるようです。「The Movie」「The Quilt」「The Soak」の3話を収録。

Amazon等で予約できますので、ぜひ――!

全体を通してほのぼのしたシリーズで、手元に置いて何度も読み返したくなりました。

現在は新版に収録されていないお話も、もしかしたら今後追加されていくかもしれません。まだ読めていない本もありますので、機会があれば読んで感想を追加します。

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