人気サイエンスフィクション「Magic School Bus」
サイエンス分野に英語で触れたい。でも本格的な図鑑はちょっと難しそう……。
「Magic School Bus」は、そんな人にちょうどいいサイエンスフィクションです。
「Magic School Bus」ってどんなシリーズ?
「Magic School Bus」は、フリズル先生とクラスの子どもたちが、自在に変形するMagic School Busに乗ってさまざまな時代・テーマの世界を冒険する物語。
恐竜、宇宙、海、人体、天気など、多彩なテーマが魅力です。一話完結なので、好きなテーマの本だけ選んで読むことができます。
本の種類
「Magic School Bus」シリーズの特徴は、絵本やチャプターブックなど本の種類が多いこと。たとえばこんな種類の本があります。
SCHOLASTIC READER Level2
YL0.6~。私の知る限り、読み聞かせや初期の多読にいちばん向いているのがこちらのシリーズです。
文字数が少なく(おおむね800語~1,150語)絵がメインなので読みやすいです。その分、情報量は少な目で、幼児~小学校低学年ぐらいに向けた内容だと思います。小さな子にサイエンスに興味を持ってほしいならこちらがオススメ。
オーディオブック
CD付のオーディオブックも出ています(CD無しでも売られています)。横長のサイズで、Scholastic Readersよりも文字が多いことが特徴です。本文の他、キャラクターの吹き出しやノートなど、好きなところだけ拾って楽しめる絵本兼図鑑といった雰囲気。文字が多いので読み聞かせるのはちょっと大変かも。
図鑑
“The Magic School Bus Presents ~” で始まるタイトルのシリーズ。横長のサイズで、写真がメインの図鑑です。ストーリーはありませんが、フリズル先生やクラスメイトたちのイラストやコメント、ノートが載っていて親しみがもてます。絵よりも写真がいい方にはこちらがオススメ。
チャプターブック
本格的なチャプターブックもあります。こちらはYL3~4程度で、絵はかなり少なく、白黒です。大人でも読みごたえがあります。物語性が高く、図鑑的な要素はあまりありません。
- Scholastic Branchesから出ているシリーズ:YL2~
- Scholasticのチャプターブックシリーズ:YL3~4程度
この他、テレビシリーズに合わせた絵本や、ちょっと雰囲気の異なる新しい絵を使った新版など、たくさんの本が出ています。好みや英語レベルに合わせて選択できるのは大きな魅力ですね。
動画
その昔、PBSでアニメ版が放映されていました。現在ではDVDセットが売られている他、Netflixでもいくつかの作品を見ることができます。
SCHOLASTIC READERS「Magic School Bus」シリーズ
ここからはScholastic Readers から出ている絵本の内容を実際にご紹介しましょう。
SCHOLASTIC READER「Magic School Bus」シリーズ
特徴
- Scholastic Reader Level2
- YL0.6~0.7、語数:約800~1,150前後
- 全20冊以上。テーマは生物(恐竜、サメ、蝶、クモの巣、野生動物、極地に棲む生き物、鳥の巣、冬眠)、植物、宇宙、火山、人体(血液、歯、骨)、天候(風、嵐、雪)、リサイクル、自由の女神など
- 1話完結。どこから読んでも大丈夫
- 語数少なめで簡単
- サイエンス分野の難しい用語は全て作中で解説あり
Magic School Busシリーズの中でも文字数が少なく、絵がメインなので幼児でも楽しめます。読み聞かせにもおすすめです。
本文だけでなく、生徒や先生たちの会話、生徒がまとめたノートなどを全て読んでもおおむね1,100語以下です。
どんな人におすすめ?
情報量が少な目なので、「まずはサイエンス分野に英語で触れてみたい」という方に向いています。逆に、専門的な内容を求めている方には向きません。
多読に使う場合は、本文だけを読むか、吹き出しの中など細かな補足部分も読むか、レベルや好みに合わせて調整できます。文字が少し小さめで、特に補足部分は手書き形式なので、人によっては読みにくいと感じるかもしれません。
なおサイエンス系の重要単語は、生徒が書いたノートの形式で解説があります。もし初めて出会う単語なら、読んだ方がわかりやすいと思います。
あらすじと感想
※ここにまとめたものは私が実際に読んだ巻のみです。シリーズは他にもまだありますので、気になる方は探してみてください。
YLは主観です。
FLIES WITH THE DINOSAUR
鳥は昔、恐竜だったの? 恐竜が生きていた時代の中国にタイムスリップしたフリズル先生と生徒たちが、鳥と恐竜の意外な共通点や相違点を学びます。
YL0.7。恐竜というとティラノサウルスなどの大型肉食恐竜を想像しがちですが、今回のテーマは鳥と恐竜。最初の鳥(どんな鳥だと考えられているのかは読んでのお楽しみ)が飛んだ時の様子を想像するのはロマンがありますね。知らない恐竜も多く、勉強になりました。
Builds the Statue of Liberty
自由の女神が建造された時代にタイムスリップ! 自由の女神っていつ、誰が、何のために、どうやって造ったの!? 巻末には自由の女神にまつわるおもしろ豆知識付き。
YL0.7。自由の女神を建造する様子がイラストで描かれていて、とてもわかりやすいです。個人的には自由の女神の色が今と昔で違うという話が興味深かったです。
Rides the Wind
風って何? 風が吹くとどんなことが起きる? 風に飛ばされた凧を追いかけながら、風の仕組みを解き明かします。
YL0.6。巻末に描かれた「風を計測するための装置」の絵が面白い! 風の役割を優しく学べるので、実際に凧あげなどをした後に読むと、体験と文章が一致して覚えやすいのではと思います。
Inside a Volcano
火山の仕組みを探るべく、Magic School Busはなんと火山の中へ!マントル、コア、マグマなどの一般的な名称だけでなく、火山や溶岩の種類についても解説が載っています。
YL0.6。火山の中へ潜っていくバスのイラストは迫力があり、読んでいてワクワクしました!火山にも種類があるなんて、日本語でも知りませんでしたが、イラストで解説されておりとてもわかりやすいです。
Takes a Moonwalk
Magic Scool Bus、今回は月面旅行に出発です!重力の話や、ニール・アームストロングの有名な言葉(That’s one smalls steps for man, one giant leap for mankind)、月の裏側はどうなっているのかなど、月に関する基礎的な知識がまとめられています。
hayrideという行事を楽しむ様子や、Mr. Coxというお父さんキャラクターが月面旅行を楽しむ様子も描かれ、いつもよりも物語性がある展開でした。
and the Missing Tooth
床に落ちていた歯は一体誰の歯?小さくなったMagic School Busは人間の口の中や動物の口の中へ!尖った歯や平べったい歯など、歯のつくりや特徴を学びます。巻末には動物の歯(と頭の骨)に関するクイズやトリビアつき。
YL0.6。文章は平易ですが、歯に関する単語(歯根、臼歯など)は日常生活でや学校で習う英語ではあまり登場しないため、辞書を引きながら読みました。
全20作以上ありますので、興味のある方は他の巻もぜひ探してみてください。
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