もし自分がライオンだったら――。そんな空想をしたことがある人や、野生動物が好きな人におすすめのリーダーズ「Ranger Rick」シリーズを紹介します。
概要
まとめ
- I Can Read! 1
- YL0.8~1(主観)、語数:約500~700語
- フルカラー、全ページに写真あり。
- 1冊につき1種類の野生動物を紹介。「もし君がこの動物の子どもだとしたら、どんな生活が待っているか」を教えてくれる。
- 巻末に豆知識コーナー、アクティビティコーナー(工作やゲーム)、単語リスト付。
どんな内容のシリーズ?
「Ranger Rick」シリーズは、The National Wildlife Federation(全米野生生物連盟)が作成している子ども向け雑誌から派生したシリーズ。1冊につき1種類の野生動物に焦点を当て、その生態を平易な英語で解説しています。写真も文章も「自分がもしその野生動物の子どもだったら…」という目線で描かれており、子どもにとって親しみがわきやすい内容です。さらに、Ranger Rickのキャラクターが「君ならどう思う?」と問いかけてくれるので、自分のことに置き換えて空想したり、読み聞かせする場合も自然なかたちで会話・質問しながら読みすすめることができます。
巻末に豆知識、ゲーム、単語リスト付。公式サイトには動画や工作などのアクティビティがたくさん紹介されており、本とあわせて楽しめます。
National Geographic Kids(ナショジオキッズ)などのノンフィクションが好きな人、動物が好きな人には特にオススメです。
シリーズに登場する野生動物:
- ライオン
- オオカミ
- ゾウ
- バイソン
- ゴリラ
- カンガルー
- リャマ
- シロクマ
- フラミンゴ
- 蝶々
- シャチ
- カメ
英語レベルは?
このシリーズは、I Can Read!というリーダーズです。I Can Read!は、My First、1、2、3、4の5段階にレベル分けされており、本シリーズはレベル1になっています。子どもが自分で読む場合、読むことに少し慣れてきてからをおすすめします。
また、平易な英語で書かれており、読み聞かせにも使いやすいですが、学校英語で育った大人にはなじみの薄い単語も登場します。巻末に単語リストがあり、とても易しい英語で単語の意味が解説されていますので、あわせて読むといいかもしれません。
あらすじと感想
このシリーズは、私の知るかぎり少なくとも12冊以上出版されています。その中から実際に読んだ5冊について、内容や感想を紹介します。
I Wish I Was a Lion

- YL0.8(主観)
- 語数:573語
内容:ライオンのいる場所、群れの構成、ライオンの言葉、子どもの生活、食べ物、体を清潔に保つ方法、寝る場所、子どもから大人になると何が変わるか、など。
大きな写真が目を引くこのシリーズ。ライオンといえばたてがみを持つオスの写真が表紙になることが一般的かと思いますが、こちらの本は子ライオンの写真を使用し、内容も子どもの暮らしについての解説が多めです。捕食シーンの写真もありますが、何かの動物のたてがみのようなものを食べているというちょっとわかりにくい内容で、肉や血は写っていません。
I Wish I Was a Wolf

- YL0.8(主観)
- 語数:543語
内容:オオカミがいる場所、群れの構成、子どもの生活、食べ物、体を清潔に保つ方法、言葉、寝る場所、子どもから大人になると何が変わるか、など。
表紙に写っているのは子どものオオカミ。写真で見ると犬によく似ています。文中でもオオカミと犬の関係について簡単に触れられており、文章と写真の相乗効果で理解が深まりました。また、オオカミの鳴き声については Howl、Growl、Whimper、Barkの4種類が紹介されています。私は学校英語で育ったのであまりなじみのない単語もありましたが、どういう時にどんな声を出すのか平易な文を使って例示されており、辞書をひくよりもわかりやすいと感じました。
I Wish I Was a Gorilla

- YL0.8(主観)
- 語数:522語
内容:ゴリラがいる場所、群れの構成、子どもの生活、言葉、食べ物、体を清潔に保つ方法、寝る場所、子どもから大人になると何が変わるか、など。
ゴリラの群れのことをtroopと呼ぶということを初めて知りました。こういう知識ってテストに出るわけではありませんが、自分を豊かにしてくれる気がします。読書の醍醐味ですね。内容としては、ゴリラの生態についてよくまとめられています。大人にとっては目新しい知識はほとんどないかもしれません。
I Wish I Was a Bison

- YL1(主観)
- 語数:660語
内容:バイソンがいる場所、群れの構成、言葉、子どもの生活、食べ物、体を清潔に保つ方法、子どもから大人になると何が変わるか、など。
巻末の豆知識コーナーに、バイソンとバッファローが違う動物だという言及があります。日本に暮らしていると、どちらもなじみの薄い動物ですが、バイソンの棲息地があるアメリカでも両者を混同している人が多いという話は意外でした。また、巻末の「バイソンフリスビーを作ろう」というコーナーがとても愉快でした。なんと、バイソンの糞を模したフリスビーを工作するという内容です!笑
I Wish I Was an Elephant

- YL0.9(主観)
- 語数:693語
内容:ゾウがいる場所、群れの構成、子どもの生活、言葉、食べ物、体を清潔に保つ方法、子どもから大人になると何が変わるか、など。
冒頭に、多くのゾウはサバンナにいるという趣旨の解説があるのですが、恥ずかしながら、savanna(サバンナ)が単数形にも複数形にもなるということに初めて気づきました。アフリカというと広大な草原地帯が広がっているイメージでしたが、当たり前ですがサバンナはひとつではなく、アフリカのあちこちに複数あるのですね。他にも、ゾウたちの遊びや声(音)の出し方、寿命など知らないことがたくさんあり勉強になりました。巻末のお楽しみコーナーは「ゾウなりきりサッカー」。想像するだけでシュールです(ちょっと楽しそう)!
単語について、cow、calf、herdなど同シリーズの「Bison」にも登場した単語が多くありました。学校英語にはなかなか登場しないと思いますが、野生動物に関する基礎的な単語としてまとめてインプットできました。
シリーズは他にもたくさん出ています。ぜひお気に入りの動物を見つけてみてください。