爆笑必至!「Daisy Story」 (いたずらデイジーの楽しいおはなし)シリーズ14冊をまとめて紹介

Daisy and the Trouble withシリーズ チャプターブック
記事内に広告が含まれています。

「Daisy Story」(Daisy and the Trouble with) は、おてんば小学生Daisyちゃんの愉快な学校生活を描く人気シリーズ。動物園、運動会、夏休み…よくあるシチュエーションもDaisyちゃんが絡むととんでもない事件に様変わり!笑いとツッコミが止まりません! 本編だけでなく、スピンオフ作品もまとめて紹介します。

概要

まとめ

  • YL2.5~3(主観)、語数:約12,000~15,000語。
  • 全19巻、まだ続くかも!? (※19巻は2027年秋に出版)。その他、スピンオフ的な作品複数あり。全て一話完結でどこから読んでもOK。
  • 白黒、ほとんどのページにイラストあり。カバーイラストはNick Sharratt(最近のものは違うかも)。文字大きめでポップな書体。
  • 最初の方の巻は日本語訳あり(「いたずらデイジーの楽しいおはなし」シリーズ)。
  • 小学校低学年のおてんば少女Daisyの日常生活を描く、爆笑コメディ小説。いつも前半にはクスクス笑えるシーンがいくつかあり、ラスト100ページぐらいからどんどん面白さが増し笑いが止まらなくなる、という構成。
  • スラングは多くなく読みやすいが、一文が長めで、(このレベル帯の中では)本が分厚く総語数も多い。イギリス英語もりだくさんなので慣れが必要。

「Daisy Story」(Daisy and the Trouble with ~)は、Kes Gray 作の愉快な長編シリーズ。カバーイラストはあの人気イラストレーターNick Sharrattが手掛けています。同シリーズには絵本もあり、読んだことはなくてもデイジーちゃんの可愛いイラストを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

2027年秋時点では全19巻。長いですが一話完結なので、どこから読んでも全く問題ありません。主人公は小学校低学年の少女Daisy。かなりおてんばな女の子で、いつもとんでもない勘違いや失敗をを繰り返し、周囲の人を巻き込んであり得ない事件を引き起こす――という爆笑必至のストーリーです。どの巻も、後半になればなるほど笑えるシーンが増加していくので、長いけれどページを読む手が止まらなくなりあっという間に読み終えてしまいます。なお、小学生女子が主人公ですが、男女問わず共感できる(または「ありえない!」と叫びたくなる)と思います。

英語の難易度としては、YL2.5~3ぐらいです。ただし総語数が12,000~15,000語ぐらいあり、同じようなレベルの本の中ではかなり長めです。一文も長く、個人的にはYL3台の本を読むようになってから読むくらいでもちょうどいいかもしれないと感じます。

また、イギリス英語で書かれていることも大きな特徴です。telly、roundabout、prawn、coach、queue、loo、duvet など、アメリカ英語とは少し異なる単語が頻出するので、慣れていないと最初は戸惑うかも。ですが何巻も続けて読むうちに慣れるし、個人的にはむしろイギリス英語が好きになりました。なお辞書には無いスラングも少し登場しますが、意味を推測できるものが多いです。

何巻がおすすめ?

シリーズは全部で19巻出版されており(2026年9月現在)、一話完結なのでどの巻から読んでも全く問題ありません。

でも、もしお試しで何冊か読むなら? ということで、個人的なおすすめを紹介します。

もしお試しで読むなら?

  • とにかく笑える → #2 (Zoo)、#6 (Maggot)、#9 (Sports Day)、#11 (Vampires)
  • 読みやすさ重視なら → #2 (Zoo)、#5 (Chiristmas)
  • ちょっと大人向け → #4 (Kittens)
  • 可愛い話が読みたいなら → #15 (Unicorn)

個人的には、老若男女問わず誰でも読みやすくて笑える作品として #2 (Zoo) をおすすめします。テーマが動物園なのでわかりやすく、かつオチがきいていてめちゃくちゃ笑えました。

各巻のあらすじやもう少し詳しい感想などは以下の「あらすじと感想」から気になる巻の部分をご覧ください。

あらすじと感想

ここからは実際に読んだ巻のあらすじと感想をまとめて紹介します。

#1 Daisy and the Trouble with Life

  • YL2.8(主観)
  • 語数:約12,000語

あらすじ

さっきからずっと、Daisyは自室とどこか違う場所を行ったり来たりしています。一体どこへ、なぜ行ったり来たりしているのでしょう? しかも彼女はお母さんから外出禁止を言い渡されており、友だちのGabbyともしばらく遊べそうにありません。いったいなぜこんなことになっているのか? どうやら深い理由があるようですが――。

Daisyが席を外しどこかへ行っては帰ってくる…を繰り返しまくるお話です。その理由や外出禁止になってしまった経緯は、お話を読み進めると少しずつ明かされます。Daisyが読者に向けて一人称で語る形式なので、「席を外すけどちょっと待ってて」の類の表現を10種類以上学べます(笑)。

途中まではYL2.5ぐらいの難易度でしたが、後半にちょっと特殊な場面があり、そこに登場する表現や語彙は少し難易度が上がる感じがしました。また、全体的に初めて見る言い回しがあり、英英辞典をひいたらイギリス英語だった…ということが何度もありました。というわけでYLを高めにしています(イギリス英語に慣れておらず苦戦しました)。

#2 Daisy and the Trouble with Zoo

  • YL2.2(主観)
  • 語数:約12,000語

あらすじ

今日はDaisyの7歳の誕生日! お祝いとして、友だちのGabbyとDylan、そしてお母さんと一緒に動物園へ行くことになりました。しかも動物園では、来園客の中でただ一人Daisyだけが特別にペンギンのエサやりを体験できるのです! 大喜びのDaisyはさっそく園内の動物園を見て回り、いよいよペンギンのエサやりに向かいますが――。

動物園のお話らしく、さまざまな動物が登場。ちょっとした豆知識も書かれており役に立つ――と思いきやそんなことはあまりなく、絶対違うだろうとツッコミたくなるような豆知識ネタが続き、ただただ愉快な爆笑ストーリーでした。後半になればなるほど面白く、オチの先にまたオチがある展開で、大人も子どももとにかく笑えると思います。おすすめ!

#3 Daisy and the Trouble with Giants

  • YL2.3(主観)
  • 語数:約12,500語

あらすじ

学校の先生に『ジャックと豆の木』のお話を読み聞かせてもらったDaisyは、友だちのGabbyと一緒に巨人ごっこを楽しみます。翌日、Daisyはおじいちゃんの家で畑の豆を収穫することになりました。そこでDaisyはジャックと豆の木のお話を思い出し、魔法の豆が入っていないか探しはじめますが――。

前半は巨人ごっこの話、後半はおじいちゃんの家での話というように内容が2つに分かれています。前半では女巨人になりきり、ファンタジー世界でごっこ遊びを楽しむDaisy。そして後半では魔法の豆を探すことに夢中になりすぎてしまい、周囲が見えなくなってしまうDaisy。どちらのDaisyもいかにも小学生という感じで、共感できるポイントがたくさんありました。今回は爆笑ストーリーというより、笑えはするものの「やっちゃったね…」という感が強めで、特にDaisyが我に返るシーンはとてもリアルに感じられました。

#4 Daisy and the Trouble with Kittens

  • YL2.5(主観)
  • 語数:13,000語

あらすじ

お母さんと一緒にスペインで休暇を過ごすことになったDaisy。初めての飛行機、初めての海外旅行はトラブルの連続です! でもホテルのプールでさっそく新しい友だちができ、ひょんなことからノラネコと出会ってからはもうネコたちに夢中! 一方、Daisyのお母さんはスペインで別の楽しみを見つけたようで――!?

前半は飛行機や海外旅行のあるあるネタがたくさん続き、わかるわかる! と頷きながら読みました。旅行というと、日本人の私は観光名所を忙しくめぐることが多いのですが、Daisyたちはひたすらプールでバカンスを楽しみ、全然観光しません(笑)。このあたりの感覚は国によって違うようですね。

今回は笑えるシーンが多かったものの、お母さんをめぐる話はちょっとリアルでDaisyの気持ちにとても共感できましたし、正直ちょっと胸糞悪かったです。それにしても母子別々に行動しているようですが、海外で低学年の子を置いて別行動できるってすごいな…と親の立場でちょっと驚いてしまいました。読者の年齢層によって感じ方が変わる作品だと思います。

#5 Daisy and the Trouble with Christmas

  • YL2.2(主観)
  • 語数:約12,000語

あらすじ

もうすぐ待ちに待ったクリスマス! Daisyはワクワクしながらサンタさんに手紙(ほしいものリスト)を書きます。学校ではクラスで聖劇をやることになり、役決めをしてさっそく練習開始。キリストの役は子どもたちではなく、赤ちゃんの人形を使うことになりました。ところがDaisyはこの人形が気に入らず、とんでもない作戦を企てます――。

お話のメインは聖劇(キリストの聖誕にまつわるお話の劇)ですが、役の種類やあらすじはイラスト入りでわかりやすく説明されているので、キリスト教や聖劇についての知識がなくても問題なく読めると思います。役決め、練習、そして本番というわかりやすい流れで、とても読みやすかったです。特に本番のシーンは笑いっぱなしでした。物語の冒頭でサンタさんに手紙を書くシーンがあり、ラストシーンとうまくつながっているところも良かったです。果たしてDaisyはほしかったプレゼントをもらえたのかな!?

#6 Daisy and the Trouble with Maggots

  • YL2.5(主観)
  • 語数:約12,000語

あらすじ

今度の土曜日、Daisyはおじさん夫婦と一緒に初めてのピクニック&釣りに行くことになりました。とても楽しみにしているDaisyですが、クラスメイトの男子2人から、釣りをする場所にまつわる恐ろしい話を聞きます。最初は信じていたDaisyですが、作り話だと知って怒りが爆発! そして土曜日、Daisyがおじさんたちと初めての釣りを楽しんでいると、目の前をあの男子2人がカヌーで通りかかり――。

釣りがテーマのお話ですが、物語の前半は「川にサメがいて周囲の人を襲った」「人魚も棲んでいて…」というようなほら話が、「俺、本当に見たもんね!」という感じの小学生男子らしい台詞つきで延々と続き、全然釣りに行く様子がないのでヤキモキしながら読みました。後半は釣りの準備、そして当日というわかりやすい流れで物語が進み、一気に読みやすくなります。釣り道具の種類や釣り餌(maggots)のつけ方、釣りの方法など、釣りをしたことがなくてもかなり細かくイラスト入りで説明があるので問題なく読めると思います。私もDaisyと一緒に初めての釣りを楽しみました。特にラストの展開が面白く、爆笑しっぱなしになったので外で読む時はご注意を。

#7 Daisy and the Trouble with Coconuts

  • YL2.5(主観)
  • 語数:約13,000語

あらすじ

町に移動遊園地が来ると聞き、授業中もソワソワしっぱなしのDaisy。遊園地に行くのは初めてです! 早速、Grampy、Nanny(祖父母)と3人で移動遊園地に向かい、美味しいものをたらふく食べていろいろなアトラクションで遊びます。ところがなかなかうまくいかず、だんだんイライラしてきて――。

コースターやティーカップ、射的などの定番アトラクションから飲み物やお菓子まで、Daisyと一緒に遊園地をまわりながらさまざまな表現を学びました。まさしく「学ぶ」という感じで、イギリス英語特有の表現を使い、アトラクション(や飲食物)の名前と簡単な説明が続きます。そういうわけで英語の勉強にはなりましたが、前半は正直ちょっと退屈でした。とはいえそこはこのシリーズ。後半一気に展開が変わり、予想もつかない方向に話が進み、最後は楽しく読み終えました。

ところで、文中のDaisyの発言が我が家の6歳児(当時)とそっくりで笑いました。たとえば、世話をしなかったせいで金魚の水槽の水が緑色になってしまったことについてのDaisyの一言「金魚の世話をするとは言ったが、水の世話(水替え)をするとは言っていない」。うーん、この屁理屈! 世の低学年児ってみんなこんな感じなんでしょうか(笑)。

#8 Daisy and the Trouble with Burglars

  • YL2.5(主観)
  • 語数:約14,000語

あらすじ

Daisyの住む町で一晩のうちに3件もの連続泥棒事件が発生! Daisyは仲良しのGabby、Dylanと探偵会社を立ち上げ、事件の捜査をはじめます。さっそく多くの証拠が集まり、犯人像、そして次に狙われる家が判明! そんな時、町で事件についての説明会が開催されることになりました。3人は説明会の席で、自分たちの捜査結果を警察に伝えますが――。

いつもは220ページ前後ですが、本作は約270ページと少し長め。その分、オチが何段にも重なっており抱腹絶倒の展開でした。Daisyたちが行う捜査は大人から見れば探偵「ごっこ」ですが、本人たちはいたって真剣そのもの。そして大人にとっては何でもない暗闇も、子どもにとってはとても怖い場所です。こうした大人と子どものギャップが笑いに繋がっているお話でした。最後の方は、人によってはもしかするとちょっと怖いと思うかもしれません(ホラー小説的な感じで、読者をドキドキさせる文章の書き方になっています)。

#9 Daisy and the Trouble with Sports Day

  • YL2.5(主観)
  • 語数:約14,000語

あらすじ

もうすぐ運動会! Daisyはスプーンの上に卵を乗せて走る”egg and spoon”という種目に出場することになりました。さっそく友だちのGabbyと練習に励みますが、卵がスプーンから落ちてしまい、なかなかうまくいきません。そんな時、Gabbyに大きなトラブルが発生! それを見たDaisyは運動会当日、ある秘策を実行します――。

今作も約270ページと少し長め。#7(Daisy and the Trouble with Coconuts)と同様、冒頭はひたすら運動会の種目とその説明が続くので、英語の勉強にはなりましたが正直ちょっと退屈でした。ところが途中(7章)から俄然面白くなり、最後の100ページぐらいで話は一転。「うそだろー!?」と叫びたくなる爆笑の展開で、続きが気になりすぎて一気に読み終えました。このシリーズの中でも群を抜いて突拍子もないお話だと思います。おすすめ!

ところでイギリスの学校って日本の学校にちょっと似ている気がします。アメリカのお話だと先生も生徒も授業中にガムを噛みまくっている描写がありますが、イギリス(少なくともDaisyが通っている小学校)ではガム禁止。制服もあり靴まで指定されているし、運動会の種目も割と想像できる範囲だということなど、色々と日本の学校みたいで親近感を抱きました。

#11 Daisy and the Trouble with Vanpires

  • YL2.7(主観)
  • 語数:

あらすじ

Daisyのママはハロウィンが嫌いなので、家ではハロウィンは毎年ただの10月31日。でも学校はハロウィンの噂でもちきりです! クラスメイトの男子たちがハロウィンに関するちょっと怖い話を次から次へと吹き込んでくるので、DaisyとGabbyは無視したくてもついつい気になって聞いてしまいます。そしてハロウィン当日、隣家のMrs Pikeに誘われたDaisyは、生まれて初めてのTrick-or-treatingを体験しに出かけますが――。

前半はクラスの男子たちが繰り広げるハロウィンほら話が延々と続きます。でもこれが明らかにウソだとわかる内容なのに、ちょっと怖くて面白い! うそでしょ、でも本当かも…と信じてしまうDaisyの気持ちがよくわかりますし、私も夜中に思い出してちょっと怖くなりました(笑)。

後半はハロウィン当日のお話です。カボチャのくりぬき方の説明からはじまり、Daisyと一緒に読者の私もハロウィンを満喫(pumpkin carverという道具でくり抜くとは知りませんでした)。ハロウィンらしい、ちょっと怖くてドキドキする展開が続き、とんでもないオチまであっという間でした。オススメです!

#15 Daisy and the Trouble with Unicorn

  • YL2.5(主観)
  • 語数:約13,000語

あらすじ

Gabbyの誕生日会に招待されたDaisy。しかもなんと友達として招待されたのはDaisyだけです! “guest of honour”として招待されたことを喜ぶ彼女は、お母さんの銀のネックレスを借りて着けていくことにします。そしていよいよ当日、Gabbyの家に着いたDaisyは、一緒にプレゼントで遊びはじめます。ところが予想外の贈りものに出会い――。

今回は他の巻とはかなり雰囲気が異なりました。このシリーズは男女問わずおすすめできる作品ですが、この#15巻は女の子同士の友情がメインに描かれ、またユニコーンがテーマとなるなど、女の子向けの要素が強めです。手描きのユニコーンがたくさん描かれるページもあり、とっても可愛いです(知らない形容詞がたくさん登場するので勉強にもなりました)。

いつも通り愉快なストーリーではありますが、感情の細かな機微も描かれるなど、いつものDaisyよりも少しだけ成長したDaisyという感じがしました。

#WBD Daisy and the Trouble with Jack / Jack and the Trouble with Daisy

  • YL2.3(主観)
  • 語数:約6,700語

あらすじ

DaisyとJackは犬猿の仲。ある日、Daisyの発言をきっかけにJackがオオカミの鳴き声を似してふざけていると、タイミング悪く教室に先生がやって来ました。叱られた2人は次の授業中、先生の監視が行き届くよう隣同士の席に座らされますが――。

こちらは2016年のWorld Book Dayのために書き下ろされた作品です。(イギリスではWorld Book Dayになると、この日のために書き下ろされた本の中から子どもたちが好きなものを選んでチケットと交換または格安で購入できる…という仕組みがあるようです。作品のラインナップは毎年変わります。→公式サイト)

日本の新書に近いサイズで、いつもより字も小さめ、文章の量も約半分。また大きな特徴として、ひとつの物語がDaisyとJack、交互の視点から語られていきます。今回は笑える要素はいつもより控えめでしたが、2人の言い分のどちらも小学校生活ではよくある内容で、自分の小学校時代を思い出し共感しながら読みました。

スピンオフ作品「Jack Beechwhistle」シリーズ

まとめ

  • YL3.5(主観)、語数:約13,000~15,000語。
  • 全2巻。一話完結。白黒、漫画風のイラストが多い。カバーイラストはNick Sharratt。文字大きめでポップな書体。
  • Daisyと犬猿の仲の少年Jack Beechwhistleが主人公。子どもの頃多くの男子が妄想したかもしれない「俺って実は秘密結社の一員で、これまでも世界を救ってきた」というような内容をそのまま小説化した作品。
  • 子どもが読むとただの面白いアクション小説だが、大人が読むとちょっとほろ苦いかも。
  • 1巻にはDaisyやクラスメイト、先生も登場する。

Daisyシリーズには「Jack Beechwhistle」というスピンオフ的なシリーズがあります(全2巻)。Daisyを読んだ方ならピンとくると思いますが、DaisyシリーズでDaisyと犬猿の仲だったJackが主人公の作品です。(なお、Daisyを読んだことがなくても全く問題なく読めます。)

こちらのシリーズのJackは秘密組織の一員であり、”Junior Defender of the World”としてこれまでにゾンビやエイリアンなどから世界を救ってきた――という設定で話が進みます。1巻にはDaisyや先生、クラスメイトたちも少し登場しますが学校生活はメインではなく、恐ろしい敵から学校を救う(という設定の)アクション小説です。授業中に「今もし敵が襲ってきたら」というような空想を楽しんだことがある人ならきっとハマるのではないでしょうか。逆に、Daisyみたいな愉快な日常を描いた小説を求めていると肩すかしをくらうと思います。

またDaisyシリーズとは異なり、挿絵がマンガ風になっています。フキダシは無く、物語のワンシーンがわかりやすいコマ割と短文で表現されており、内容理解の助けになりました。

文章の途中、ところどころに”Agent J’s World Defence Survival Tips”が挟まれています。「敵が襲ってきたらこう動け」というような(小学生男子なりの)tipsをまとめたもので、巻末には同じものの手書きバージョンも収録されています。絵入りでとてもわかりやすいです。

英語レベルとしては、Daisyよりも少し難易度が上がると感じました。ミリタリーやアクション系の単語が増えるため、個人的にはなじみがなく苦戦しました。

#1 Attack of the Giant Slugs

¥2,194 (2026/03/07 02:35時点 | Amazon調べ)
  • YL3.5(主観)
  • 語数:約15,000語

あらすじ

Jackはいつも友人のHarry、Colinを相手に、秘密組織の一員として戦うための訓練を行っています。今日もさまざまな訓練に取り組むうちに、3人はカラフルなナメクジがそこかしこにいて、だんだん巨大化していることに気付きました。しかもナメクジは3人の学校を襲撃しようとしているようです! このままでは学校のみんなが危ない! Jackたち3人は巨大ナメクジを撃退できるのでしょうか!?

冒頭から3人のさまざまな訓練シーン(ごっこ遊びですが)が続き、アクション映画を観ているような気分になりました。3人はとても真剣に取り組んでいるのですが、ちょっと愉快な敵ばかり登場するので、アンバランスな感じがして面白く、フフッと笑えます。とはいえミリタリー系の単語に全くなじみがなかったため、英語面ではかなり苦戦しました。

後半、ナメクジとの戦闘シーンは予想もつかぬ展開で、ハラハラしながらあっという間に読み終えました。Daisyシリーズと同様に、後半になればなるほど面白くなる気がします。

#2 Rise of the Hairy Horror

  • YL3.5(主観)
  • 語数:約13,000語

あらすじ

Jackの友人HarryとColinは、2人揃ってフードを目深にかぶり、なんだか浮かない様子。なんと、2人とも同じ床屋で望まない髪型にされてしまったというのです。しかもその床屋は切った髪を大きな袋に集めているといいます。一体何のために? Jackたち3人は、床屋の悪だくみを暴くべく、さっそく捜査を開始しますが――。

1巻に比べ、今回はアクションよりも捜査がメインという感じでした。設定に慣れてきたこともあり突拍子もないと感じるシーンが減り(予想がつく範囲なので英語が読みやすく感じられ)、Daisyシリーズに近いノリを感じるシーンもあるなど、1巻よりも読みやすかったです。

(↓※ここから先は設定や読後感に関するネタバレを含みます。↓)

Daisyシリーズでは悪ガキとして描かれていたJackですが、このJackのシリーズを読むと実は興味のある分野に関してはとても知識があり、行動力や空想する力、リーダーシップに優れた男の子なのだとわかります。特に2巻では彼の家庭環境が描かれるのですが、酒を飲んで寝てばかりでろくに食事も提供せず子どもの様子を全然気にかけない両親と、淡々と自分で食べられるものを探し両親のことを嫌う様子もないJackの対比に、子を持つ親として胸が苦しくなりました。Daisy、Jackどちらも家庭環境の複雑さやそれに起因する問題を匂わせながらも、あえて深く描かずサラッと流すスタイルなのは、この作家さんの特徴といえるかもしれません。

そんなちょっと重い設定をチラ見せしつつもJack本人は飄々としているし、ストーリーも淡々と進むので、正直どんなテンションでこのシリーズを読めばいいのか戸惑いました。読後、正直ちょっと消化不良を起こし悶々としました。これは私が大人であり親であるために色々と見えてしまうからだと思います。子ども(この本の本来のターゲットである小学生)ならそこまで色々考えることもなく、サラッと面白く読めるのではないでしょうか。


シリーズは他にも数冊出版されています。愉快な本をお探しの方はぜひ読んでみてください。

タイトルとURLをコピーしました