1960年代に出版されて以降、アメリカでテレビシリーズになったり特別展が開催されるなど人気を博し、今もなお読み継がれているBerenstain Bearsシリーズ。今回はその中から、読み聞かせ・自力読みどちらにもおすすめのBeginner Booksを紹介します。
概要
- YL0.3~(主観。お話によってかなり差がある)
- 語数:107語~
Berenstain Bearsシリーズは、クマの一家が主人公のユーモラスなお話。作者はBerenstain夫妻で、絵本の他、Step into Reading、I Can Read、Beginner booksなど複数のリーダーズに収録されており、なんと全部で200冊以上もあります!
今回紹介するのは、Beginner Booksシリーズ。表紙右上にDr. Seussのイラストがあるのが目印です。気に入ったお話だけを購入するのもいいですが、こちらの「The Big Book of Berenstain Bears Beginner Books」は、選りすぐりの6冊が収録されており、1冊ずつ購入するよりも手ごろな価格で購入できます。
あらすじと感想
ここからは6冊それぞれのあらすじと感想を紹介します。
The Berenstain Bears The Bike Lesson
ある日、お父さんはこぐまに新しい自転車を用意します。早速乗りたがるこぐまに対し、お父さんは「まずはレッスンをする」と言って自分が自転車に乗ってみせます。ところが思いがけないハプニングが次々と起こり――。
笑える展開の連続で、あっという間に読めてしまいました。64ページありますが短文が多く、絵が中心なので、語数は多くありません。思わずツッコミを入れたくなる内容で、絵を見るだけで話の展開が予想できるので、子どもから大人まで楽しく読めると思います。
The Berenstain Bears The Bears’ PICNIC
ピクニックに出かけたクマ一家。お父さんが「世界で一番いい場所を知っている!」と張り切って案内したのは、夫婦が昔ピクニックをした想い出の場所でした。ところが着いてみると、今ではすぐ横を電車が通るようになっていて、ひどい煙でピクニックは台無し…。そこでお父さんは他の場所へと家族を案内しますが――。
張り切るお父さんと、だんだん不機嫌になっていくお母さんの対比が面白く、クスっと笑えるお話です。同じパターンの展開が何度も繰り返されるので、話にツッコミを入れながら楽しく読めます。
The Berenstain Bears The Bears’ VACATION
今日から夏休み!クマ一家は車で旅行に出かけます。こぐまが勝手に水辺へ行こうとするので、心配になるお母さん。そこでお父さんはこぐまに、水辺で遊ぶ時のルールを説明し始めます。ところが(いつものように)とんでもないハプニングに巻き込まれ――。
ルールを教えるはずのお父さんが、実はルールに従っておらず…といういつものパターンですが、ユーモラスな絵と内容で今回もクスっと笑えます。実際に川や海で遊ぶ時は気を付けなければいけないことも多いですが、まずはこうした本で学ぶのもいいかもしれません。
The Berenstain Bears Bears in the Night
夜、こぐまたちがベッドで寝ていると、窓の外から”WHOOOOO”という声が聞こえてきました。一体何の声でしょう?こぐまたちはベッドを抜け出し、壁を乗り越え、夜の森へと向かいますが――。
ちょっと怖いけど楽しい!全ての文章が前置詞と名詞だけで構成されていて、前置詞を楽しく学べるお話です。down、through、between、aroundなど、絵を見るだけで(日本語で説明しなくても)意味がわかるし、スリル満点のお話なので、印象に残ると思います。
とても短く、簡単なので(YL0.3ぐらい ※主観です)、読み聞かせにも、初期の自力読みにもおすすめです。
The Berenstain Bears Spooky Old Tree
夜、3匹のこぐまはそれぞれ手に懐中電灯、杖、ロープを持ち、家を出て夜道を進みます。たどり着いた先にあったのは、1本のおどろおどろしい古木。3匹が勇気を出して中に入ると、そこに待ち構えていたのは――。
こちらもちょっと怖いお話です。見開きいっぱいに描かれた絵は、暗い森の中と懐中電灯に照らされた明るい部分との対比がはっきりとしており、とても印象的。ちょっとおどろおどろしい雰囲気で、お話を盛り上げます。文章は短く、繰り返しの表現が中心なので、読み聞かせにも、初期の自力読みにもおすすめです。
ボードブック版もあります…が、ハラハラドキドキするお話なので、乳幼児に読み聞かせる場合はちょっと注意が必要かもしれません(お子さんによっては泣いてしまうかも!?)
The Berenstain Bears and the Missing Dinosaur Bone
今日は博物館に恐竜の骨が展示される日。オープンはお昼ですが、博物館の前にはすでに大勢のクマたちが並んでいます。ところが館内では、クマ博士が困った顔でウロウロしていました。実は恐竜の骨の一部が無くなってしまったのです!そこで3匹のこぐまは探偵になり、無くなった骨と犯人を捜しますが――果たしてオープンまでに骨を見つけることはできるのでしょうか?
ほんのりミステリー仕立ての可愛いお話です。怖い要素は無く、こぐまたちの視点で犯人捜しを楽しめます。博物館がオープンするまであと何分、という表現がいくつか登場するので、英語での「あと何分」の言い方に親しめます。
Berenstain Bearsシリーズは全200冊以上。もし気に入れば、他の本も集めてみるのもいいかもしれません。どのお話も可愛くてユーモラスで、子どもから大人まで楽しく読めます!