Nate the Greatシリーズを読み終え、次はもう少しレベルアップしたい。そんな人にぴったりのシリーズ「Olivia Sharp」を紹介します。作中にはNateのこともちょっぴりだけ登場。シリーズファンならきっと気に入る作品です。
概要
まとめ
- YL2~2.2(主観)、語数:約2,800~3,300語。
- 「Nate the Great」(ぼくはめいたんてい)シリーズの姉妹編。
- 全4巻(完結)、ほとんどのページに白黒の挿絵あり。一話完結だが1巻から順に読む方がわかりやすい。
- お金持ちの小学生Olivia Sharpが、豪快にお金を使いながら依頼人たちの「人には言えない秘密」を解決する話。
「Olivia Sharp」は、「Nate the Great」の姉妹編。「Nate the Great」にも登場するNateのいとこOliviaが主人公の、気軽に読める探偵小説です。全4冊で、各巻の裏表紙と開いてすぐのページにはNate the Greatからの推薦メッセージがついています。
主人公のOlivia Sharpはサンフランシスコのペントハウスに住む小学生。両親は仕事で世界中を飛び回っており不在がちで、お抱え運転手のWillieやお手伝いさんのMrs. Fridgeflakeが身の回りの世話をしてくれています。とんでもないお金持ちで、財布には自分用のクレジットカードがずらり(小学生がカード!?)。Nate the Greatは地道な聞き込みや足を使った捜査がメインの探偵ですが、Oliviaはまずお金でなんとかしようとするタイプ。気前がよすぎるくらい豪快な支払いっぷりなので、見ていて気持ちよく、また必ずしも全ての依頼をお金で解決できるわけではない(失敗することもある)点も、話の面白さのひとつです。
Nate the Great との違いは?
上記概要部分でも少し触れましたが、ふたつのシリーズをまとめると次のようになります。
| Nate the Great | Olivia Sharp | |
| 英語の難易度(※主観) | YL1.2~2.2 | YL2~2.2 |
| 巻末のExtra | あり | なし |
| 職業 | 小学生・探偵 | お金持ちの小学生・探偵 |
| 主な依頼人 | 友人 | 友人、学校関係者 |
| 事件のタイプ | 探し物がメイン(失くし物・プレゼントの贈り主・行方不明の飼い犬などを探す) | 依頼人とその友人との人間関係を取り持つ (例:ケンカや行き違いの原因と対処法を考える) |
| おすすめの読者(※主観) | 園児~大人 | 小学生~大人 |
両者の違いは主に2点。英語の難易度と、事件のタイプです。
難易度の違い
まず英語の難易度としては、「Nate the Great」の方が断然易しく、はじめてチャプターブックに挑戦する頃にぴったりです。「Nate the Great」はシリーズ後半になるにつれ少しずつ難易度が上がっていきますが、後半の難しめのお話と「Olivia Sharp」の難易度が同じくらいになっています。
どちらのシリーズも出てくる単語や表現がとてもよく似ているので、自然と何度も同じ言葉に触れられます。まず「Nate the Great」シリーズを読んでみて、気に入ったら「Olivia Sharp」に挑戦するという流れがぴったりではと思います。
内容の違い
次に内容ですが、「Nate the Great」の方が単純明快です。友人の依頼で失くした物を探すというパターンが多く、捜査方法も地道な聞き込みや現場での調べものが中心。ちょっとした謎解きがメインの気楽なミステリーとして楽しめます。
対する「Olivia Sharp」は、こちらも小学生の友人が依頼人となるケースが多いものの、単なる謎解きや探し物ではなく、人間関係の構築がメインテーマ。「人には言えない悩みを秘密厳守で解決する」というのが彼女の掲げる探偵事務所のテーマなので、友人同士のトラブルを仲裁したり、仲を取り持ったりすることが多いというわけです。そのため、「Nate the Great」とは少し読者層が異なり、小学生以上(もちろん大人まで)で、学園ものや日常系のお話が好きな人にオススメです。子どもが読む場合、もしかすると女の子の方がハマりやすいかもしれません。
※なお、「Nate the Great」のような気楽な謎解きを求めている場合、「Olivia Sharp」の3~4巻だけ読むという手があります。あくまで個人的な感想ですが、1~2巻よりも3~4巻の方が謎解き要素が強く、「Nate the Great」の雰囲気に近いと思います。
その他の違い
その他の違いとして、「Nate the Great」にはついていた巻末のExtraが「Olivia Sharp」にはありません。豆知識的なネタ、小説にからめた理社ネタを求めている場合はお気をつけください。
片方のシリーズだけ読んでも大丈夫?
「Nate the Great」と「Olivia Sharp」はそれぞれ独立したシリーズなので、どちらか好きな方だけ読んでも何も問題ありません。
とはいえ、NateとOliviaはいとこ同士で仲が良いという設定のため、互いのシリーズに少しだけ登場します。「Nate the Great」ではシリーズ後半にOlivia Sharpの事件を手伝う巻があります。また、「Olivia Sharp」では毎回、事件についてNateに報告を書く場面などがあります。どちらもシリーズファンとしてはテンションが上がります! が、ファンへのご褒美的な展開(または未読の場合、読みたくなる)というだけで、両方とも読まないと支障が出るわけではありません。
↓なお、Nate the Greatシリーズの内容と感想はこちらの記事にまとめています。ぜひ合わせてどうぞ。↓

あらすじと感想
ここからは全4冊のあらすじと感想をまとめて紹介します。
#1 The Pizza Monster
- YL2(主観)
- 語数:2,811語
あらすじ
町のあちこちに探偵事務所の宣伝チラシを貼って回ったOlivia。するとさっそく依頼の電話がかかってきます。依頼人は同じ学校の生徒Duncan。「世界はもう終わりだ! 誰にも言えないけど、友だちを失ったんだ」という彼に詳しい話を聞くと、ピザ屋で友だちのDesireeにピザを1切渡した途端、彼女が怒って店を出て行ってしまったというのですが――。
第1巻。探偵小説仕立てになっていますが、友だち関係の悩みがメインという点で、共感できる人も多いのでは。金で解決! と豪快にクレジットカードを使うOliviaの姿がまぶしい…と途中まで思っていたのですが、読み終えて振り返ってみると、むしろ依頼人とその友だちの間に入り地道に解決策を考える彼女の姿の方がより印象的でした。
#2 The Princess of the Fillmore Street School
- YL2.2(主観)
- 語数:3,005語
あらすじ
Oliviaの探偵事務所に2件目の依頼が舞い込みます! 依頼人は友人のDesiree。学校のプリンセスになりたいというのです。ところがDesireeは自分がプリンセスらしく振る舞うだけでなく、学校のみんなにもきちんとすることを求めはじめます。「姿勢よく座って!」とクラスメイトに命令したり、断りも入れずいきなり人の靴を磨いたり…。クラスメイトたちからは不満の声があがりますが、Desiree本人は全く気付きません。果たしてOliviaはこの事態をうまく解決できるのでしょうか?
今回の依頼人は、1巻にも登場したDesiree。いますよね、こういう、自分と他人の区別がついていない人…。探偵小説っぽい感じは薄いものの、とても共感できるお話でした。それにしても「10セントちょうだい」とねだる依頼人にOliviaが10ドル紙幣を手渡すシーンには笑いました。豪快!
#3 The Sly Spy
- YL2.2(主観)
- 語数:3,327語
あらすじ
Oliviaは食糧品店で友人のSheenaにばったり出会います。彼女はカナリアの入った鳥かごを抱え、何やら困った様子。聞けば、Desireeの誕生日プレゼントとしてDuncan、Motimerの3人でカナリアを買ったものの、隠し場所に困っているようです。そこでOliviaは自宅でカナリアを預かることに。これで問題解決! と思いきや、今度は怪しいスパイが現れ、Oliviaの探偵業を邪魔しはじめて――。
Oliviaにライバル登場!? という、探偵小説ならではのドキドキを味わえるお話でした。誕生日プレゼントにカナリアを贈るというのがまずユニークで面白く、豪快に金を使いまくるOliviaがまた素敵! 「Nate the Great」の雰囲気にちょっと近い愉快なお話で、あっという間に読み終えました。
#4 The Green Toenails Gang
- YL2(主観)
- 語数:3,108語
あらすじ
Oliviaの親友Taffyはかつて同じペントハウスに住んでいましたが、今は別の町に引っ越しています。そんな彼女からある日、手紙が届きました。どうやら引っ越し先で所属したいクラブがあるけれど、なかなか入れてもらえないようです。そこでOliviaはTaffyの住む町を訪れ、話を聞くことに。ところがそのクラブは名前や入会方法、そして何をするクラブなのかもいっさい秘密で教えてもらえません。唯一の手がかりは、メンバーが皆、名前のイニシャルが描かれたTシャツを着ているということ。Tシャツを目印に、OliviaとTaffyはメンバーの家を訪ねますが――。
シリーズ集大成にして、「Nate the Great」シリーズが好きならきっと気に入ること間違いなしという作品でした。これぞミステリー! 謎のクラブ、久しぶりに会えた親友、彼女の寂しそうな顔――これはもう、解決するっきゃない!
全て読了した今、シリーズが4冊で終わってしまっていることがとても寂しいです。「Nate the Great」が好きな人もまだ読んだことがないという人も、ミステリー好きならぜひ読んでみてください。

